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BtoBに特化したおすすめMAツール3選
名刺管理機能や、BtoB向けプランなどがあり、BtoBに特化している3製品を紹介します。
それぞれの特徴や料金、導入企業の評価もお伝えするので、製品選定の参考にしてください。
BtoB向けの機能が特徴的「List Finder」
公式サイト: https://promote.list-finder.jp/ 運営会社:株式会社Innovation & Co. |
【製品情報】
プラン | ライト | スタンダード | プレミアム |
初期費用 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
月額利用料金 | 3万9800円〜 | 5万9800円~ | 7万9800円~ |
フォーム作成 | – | ○ | ○ |
企業属性付与※ | – | 月1500回まで | 月3000回まで |
Salesforce連携 | – | – | ○ |
シナリオ設定 | – | – | ○ |
※ 顧客リストに、社名、法人番号、住所、従業員数、情報区分、といった属性情報を付与できる
人気の国産MAツールです。
メールを配信した顧客の中に見込み度の高いホットリードがどの程度存在するかを確認できるほか、名刺管理サービスの「Sansan」と連携し顧客情報の管理が可能です。
月額3万円台からと始めやすく、導入初期には無料でコンサルティングサポートが受けられるため、MAツールを利用したことがない企業でも安心して導入できるでしょう。
Salesforceとの連携なら「Pardot」
公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/products/pardot/overview/ 運営会社:株式会社セールスフォース・ドットコム |
【料金】
プラン | Growth | Plus | Advanced | Premium |
初期費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
月額費用 | 16万5000円~ | 33万円~ | 52万8000円~ | 198万円~ |
Pardot(パードット)はSalesforceのBtoB向けMAツールです。
同社のSFAツールとシームレスに連携できるのが強みで、成約に必要な顧客情報などをすばやく営業部門と共有できます。キャンペーン用のLPや申し込みフォームの作成も可能です。
【導入企業の評価】
【A社(製造業、従業員数3000人程度)】
Salesforceの他システムと連携ができることです。
既に導入しているSalesforceのシステムはカスタマイズを重ねて複雑に作り込まれた状態になっており、この設定を変更せずに連携できる製品はPardotしかありませんでした。また、Salesforceの問い合わせ機能が継続して使えたことも決め手の1つです。
今までは一方的にメールを送っていただけでしたが、Pardotを使ってマーケティングを行うことでお客様ごとの反応の違いがわかり、効率的にナーチャリングや営業を進められました。
また、直感的に操作が可能なので、短時間で使い方をマスターできました。私はHTMLなどのコードに関する知識はあまりなかったのですが、まったく問題ありませんでした。
特にありません。ただ、BtoCの商材を扱う企業にとってはカスタマイズ性が物足りなく感じるかもしれません。
案件ごとに設定できる枠が限られており、枠を増やすためには追加料金が必要です。企業だけではなく、個人相手にも複数営業している企業では、追加料金がかさむと思います。
BtoBの商材を扱う企業向けだと思います。他にはMAツールを初めて利用する企業にもおすすめです。視覚的、直感的に操作できますし、ネットで調べれば使い方がすぐにわかります。
ユーザー同士で知識を共有し合うコミュニティや、個人でPardotを運用している方のブログなどもあってとても参考になりました。もちろん、Pardotのオンラインマニュアルもよく活用していました。
BtoBに特化したプランがある「MAJIN」
公式サイト:https://ma-jin.jp/ 運営会社:株式会社ジーニー |
【料金】
プラン | スタンダードプラン | BtoB MAJIN | BtoC MAJIN | App MAJIN(アプリ事業者向け) | Push MAJIN(Webサイト運営者向け) |
初期費用 | 要問い合わせ | 11万円 | 11万円 | 11万円 | 5万5000円 |
月額利用料 | 11万円~ | 11万円~ | 11万円~ | 5万5000円~ | 5万5000円~ |
BtoBに特化したプランが用意されているのが特徴です。
見込み客のスコアリングや休眠顧客の掘り起こし、一定のスコアを超えた見込み客の自動通知など、リードを受注につなげる機能が充実しています。
導入企業の定着率は約97%と高水準、機能と管理画面が誰でも使いやすいように設計されている製品です。
BtoBにも使えるその他MAツール9選
ここからは、上記で取り上げた3製品のほかに、BtoBマーケティングに活用できるMAツール9製品を紹介します。
ただし、BtoBに特化した機能やプランがあるわけではないので、自社で必要な機能が備わっているか確認する必要があります。
オールインワン型のMAツール「Marketing Hub」
公式サイト: https://www.hubspot.jp/products/marketing 運営会社:HubSpot, Inc. |
【製品情報】
プラン | 無料版 | Starter | Professional | Enterprise |
月額利用料金 | 無料 | 5940円~ | 10万5600円~ | 42万2400円~ |
LP作成 | ○(機能制限あき) | ○(機能制限あり) | ○ | ○ |
フォーム作成 | ○(制限付き) | ○ | ○ | ○ |
SNS連携 | ― | ― | ○ | ○ |
高度な分析機能 | ― | ― | ― | ○ |
シングルサインオン | ― | ― | ― | ○ |
コンテンツ作成の機能が豊富な製品です。
LPやブログの作成はもちろん、Webサイトやメールに挿入する動画を管理したり、顧客とのコミュニケーションをチャットボットで行ったりすることもできます。
サポート体制が充実しており、メールや電話での問い合わせ対応のほか、トレーニングプログラムなども用意されています。
集客機能もカバー「SATORI」
公式サイト:https://satori.marketing/ 運営会社:SATORI株式会社 |
【料金】
初期費用 | 33万円 |
月額利用料金 | 16万2800円~ |
1000社以上の導入実績を誇るMAツールです。
メールアドレスのわからない匿名のリードデータ管理や、ドメインが異なる複数サイトのトラッキングなど、リードを獲得するための機能が充実しています。
【導入企業の評価】
【B社(不動産業、従業員数500人程度)】
受注実績、有償サポート、取引先が導入していることが決め手でした。
顧客管理が非常に楽になりました。いろいろな項目を数値化できるので、管理職としても「誰がいつどの取引先に行ったか」「見込み客をどれくらい確保できているか」といったことが把握しやすいのもありがたいです。
また、今期から売上予算もSATORIのデータを基に作成しているのですが、これまでよりも根拠のある売上目標が作れるようになったと思います。入居者管理も行っており、DMやお知らせ作成の負担も軽減されました。
こういったツールを使い慣れていない営業担当も多く、導入当初はミスが相次いでいました。もう少し直感的な操作で簡単に扱えるとよいと思います。ただ、慣れれば非常に便利なツールなので、時間とともに解決するだろうとは思っています。
顧客数の多い会社におすすめです。不動産業の弊社では顧客管理に加え、入居者の管理も行っています。不動産業で入居者管理をExcelなどで行っている会社は、こういったツールの導入を視野に入れてもよいと思います。
【C社(エネルギー関連業、従業員数400人程度)】
非常に多くの導入実績があり、導入した会社の口コミや評価もポジティブな内容が多かったことが決め手の一つです。営業の方にプレゼンしていただいた内容も説得力があり、うなずける点も多かったのでお願いすることに決めました。
顧客の動きがデータでわかることです。例えば、A社の人が弊社のWebサイトを訪問したときにどのページを見たのか、どの広告をクリックしたか、どのコンテンツを閲覧したかといったことが把握できます。
MAツールの中には月額料金が10万円程度に収まるものもあるので、少し高いと感じました。しかし、ほかの国産ツールよりも多彩な機能があり、サポートも充実しているので現時点では納得しています。
集客に苦労していたり、見込み客数が伸び悩んでいたりする企業には、ぜひ活用してほしいです。飛び込み営業などをしている会社も多いでしょうが、それはハッキリ言って無駄です。その費用でシステムを導入した方が断然効果的だと思います。
【D社(ITサービス、従業員数300人程度)】
UIがシンプルで見やすい点と、セミナーの申し込みフォームや、資料のダウンロードフォームが作成できる点です。
現在、月間300件程度のリードを獲得できており、その約半数が商談へつながっています。セミナーや展示会などで過去に接触した方が弊社のページを再度訪問した際、そのことがこちらに通知されるよう設定しています。実際、そこから月20件もの商談につなげられています。
また、Googleアナリティクスのデータを同時に閲覧できるのも便利です。
レポート機能は弱いと感じます。必要なデータを頻繁にチェックしたい場合などに備えて、複数のレポートを出力する機能を搭載してくれるとより有用でしょう。また、慣れないと少し使いにくいので、理解を深めるためのワークショップや、メール配信など超初心者向けのサービスがさらに充実していればと思います。
グローバルに展開している企業に特におすすめです。
完全無料のフリープランがある「BowNow」
公式サイト:https://bow-now.jp/ 運営会社:クラウドサーカス株式会社 |
【製品情報】
プラン | フリー | エントリー | ライト | スタンダード |
月額利用料 | 無料 | 5500円~ | 2万2000円~ | 3万3000円~ |
リード数 | 1000件 | 1000件 | 3000件 | 5000件 |
PV数 | 〜5万件 | 〜5万件 | 〜5万件 | 〜5万件 |
メール配信 | ー | ー | 制限なし | 制限なし |
ファイル登録 | 100MB | 100MB | 1GB | 1GB |
Salesforce連携 | ー | オプション | オプション | オプション |
無料で利用できるフリープランが用意されており、とりあえず試してみたいという企業におすすめです。
必要な機能だけを追加していけるので、コストを抑えつつマーケティング業務を効率化できます。テンプレートを活用すれば顧客のステータス(見込み度)とポテンシャル(自社にとっての重要度)の2軸で自動的に分類されるため、スコアリングやシナリオの設定をせずに運用可能です。
収集した情報をリード名簿に追加できる「SalesAutopilot」
公式サイト:https://www.salesautopilot.com/ 運営会社:SalesAutopilot Kft. |
【製品情報】
プラン | Email Marketing | Automation | eCommerce and CRM | All in! |
月額利用料金 | 41ドル | 59ドル | 77ドル | 95ドル |
メール配信数 | 制限なし | 制限なし | 制限なし | 制限なし |
ユーザー数 | 15 | 25 | 25 | 50 |
フォーム作成 | ○ | ○ | ○ | ○ |
Eコマース対応 | ー | ー | ○ | ○ |
アフィリエイト対応 | ー | ー | ー | ○ |
ハンガリーの企業が提供するMAツールです。
マーケティングロボットパイロットという機能によって、資料ダウンロードやフォーム入力で得られるユーザーの情報を、自動でリードのリストへ追加してくれます。フォーム作成、DM作成、LP作成、ABテストなども可能です。
送信リストのメールアドレス数に応じて、各プランの料金が変動します。3500~5000件の場合、もっとも安い「メールマーケティングプラン」が月額約4510円、最上位のプランは約1万450円(どちらも1ドル=110円で換算)です。
なお、日本語には対応していないので注意が必要です。
洗練されたUIが魅力「b→dash」
公式サイト:https://bdash-marketing.com/ 運営会社:株式会社データX |
【料金】
プラン | 要問い合わせ |
利用料金 | 要問い合わせ |
誰でも操作できるように設計された画面レイアウトが特徴の製品です。
顧客管理、フォーム作成、Web接客、LINE連携、広告連携、プッシュ通知、Web・メールでのレコメンドなど、マーケティングに必要な機能が網羅的に提供されています。ユーザーはその中から使いたい機能を選んでカスタマイズが可能。また、必要に応じて機能を追加することもできます。
拡張性に優れる「Marketo Engage」
公式サイト: https://jp.marketo.com/ 運営会社:アドビ株式会社 |
【料金】
プラン名 | Select | Prime | Ultimate | Enterprise |
料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
機能の多彩さと自由度の高さ、拡張性に定評があるアドビ株式会社のMAツールです。
メール、SNS、Webサイト、モバイルアプリ、デジタル広告といったあらゆるチャネルを網羅して顧客の行動を分析することで、個々に最適化されたアプローチが可能になります。
また、コンサルティングやカスタマーサポート、使用方法のトレーニングなど、導入・運用のサポート体制も充実していて安心です。
【導入企業の評価】
【E社(ITソリューション、従業員数1000人程度)】
社内のコミュニケーションツールだけでなく、Twitter、FacebookなどのSNSと連携して情報を一元的に管理し、そこから顧客へのアプローチまでを一気通貫で行えることが決め手でした。
営業活動の進捗もしっかりと把握でき、対応の結果と課題を踏まえながらPDCAを回すことで、マーケティング業務を円滑に進められる点も決定の要因でした。
メールの発信機能が充実していて、多数のクライアントに対して複数のメールを送信できる点が当社の営業手法にマッチしています。
さらに、「受信した相手がどの程度メールを見ているか」まで把握できるので、顧客ごとの商品・サービスに対する関心度を理解するのにも役立っています。未送信のクライアントについて、エラーリストも確認できるので、アフターケアの際も便利です。
現在は一部の部署でしか導入していませんが、これから全社に拡大したいと考えています。ただし、比較的高額なツールなので、コストが高くなってしまうことが懸念点です。
今のところメールベースでの問い合わせやその後のフォローについては一定の安心感はあるものの、導入規模が大きくなった場合にサポートが追いつくのか少し気になります。
従来のコミュニケーションツールだけでなく、Webなども活用した営業を検討している企業におすすめです。ただし、ある程度の規模の会社でないと、コスト面ではメリットが生まれにくいかもしれません。
基本的な機能を低価格で使える「Kairos3」
公式サイト:https://www.kairosmarketing.net/marketing-automation 運営会社:カイロスマーケティング株式会社 |
【料金】
保有リード数 | 月間PV数 | 月間メール送信数 | 月額料金 |
~100件 | ~5000PV | ~1500通 | 1万6500円 |
~1000件 | ~1万5000PV | ~1万5000通 | 2万4200円 |
~3000件 | ~4万5000PV | ~4万5000通 | 3万7400円 |
~1万件 | ~15万PV | ~15万通 | 5万600円 |
~1万5000件 | ~22万5000PV | ~22万5000通 | 6万6000円 |
~2万件 | ~30万PV | ~30万通 | 8万2500円 |
~3万件 | ~45万PV | ~45万通 | 10万4500円 |
~5万件 | ~75万PV | ~75万通 | 13万2000円 |
※価格はすべて税込
リード管理、メール配信、スコアリング、フォーム作成といった基本的な機能を備えつつ、初期費用、月額料金ともに他社製品と比べて低価格に設定されています。
料金体系は従量課金制で、保有リード数、月間PV数、月間メール送信数のうち該当する最大の月額費用が適用されます。保有リードが100件以下の小規模な運用でも費用対効果が見込めます。
大手企業への新規開拓と顧客育成に特化「Dr.Marketing」
公式サイト:https://e-mktg.jp/ 運営会社:株式会社アイアンドディー |
【料金】
初期費用 | 33万円~ |
月額利用料 | 16万5000円~ |
大手企業へのアプローチとナーチャリングに特化したMAツールです。
LP作成やメール配信の自動化、インサイドセールスの履歴管理、Webサイトのトラッキング、アンケートのフォーム作成・集計、見込み客のデータベース管理、スコアリングなどを一気通貫で行えます。
専任スタッフによる導入コンサルティングや研修(どちらも有料)も用意されており、いざというときも安心です。
コンテンツマーケティングに特化した「Cloud CMO」
公式サイト:https://innova-jp.com/cloud-cmo/ 運営会社:株式会社イノーバ |
【料金】
初期費用 | 要問い合わせ |
月額利用料 | 要問い合わせ |
コンテンツマーケティングに特化したツールです。
ブログやWebページの作成、SEO対策、アクセス解析といったコンテンツマーケティングに必要な基本機能に加え、スコアリングやステップメールの設定、まだリード化していないサイト訪問者の管理など、MAツールの機能も兼ね備えています。
SNSやCRM(顧客管理システム)との連携、複数サイトにおける横断的な行動履歴の分析もできます。
BtoB向けMAツールの選定ポイント
ここでは、BtoB向けのMAツールを選定する際に重要な3つのポイントについて解説します。
【選定ポイント】
- ランニングコストはどれくらいか
- SFA・CRMとの連携はスムーズか
- 集客から顧客育成までカバーしているか
1. ランニングコストはどれくらいか
BtoBマーケティングでは長期にわたる顧客育成が不可欠なため、多くの場合、ツールの運用に年単位の投資が必要です。
利用料金は、プラン別に固定額が設定されている場合が多く、1ヶ月あたり数万円程度で使えるツールもあれば、数十万円以上かかるものあります。
初期費用も含めて、効果が出るまでにどのくらのコストをかけ続けられるかを確認しておきましょう。
また、リード数やWebサイトPV数などに応じて料金が変動する、従量課金制を採用しているツールもあります。自社のアクセス状況や利用状況を把握しておくことが重要です。
2. SFA・CRMとの連携はスムーズか
SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)などと、シームレスに連携できるかどうかも見逃せないポイントです。
【おもなBtoB向けMAツールの連携可能なSFAとCRM】
List Finder | Pardot | Marketing Hub | SATORI | |
連携可能なSFA・CRM | Salesforce | Salesforce | Salesforce HubSpot CRM | Salesforce kintone |
マーケティング部門が作成した見込み客リストを基に営業のアプローチをかけた場合、契約成立に至る場合もあれば初回の商談で失注する場合もあります。
そこで、SFAやCRMと連携できていれば、商談結果をスムーズにフィードバックできるため、より精度の高い見込み客の洗い出しが可能になるのです。
3. 集客から顧客育成までカバーしているか
多くの製品はリードの「育成」をメインにしており、リード獲得、すなわち「集客」の機能があまり備わっていない製品もあります。
マーケティング活動ではリード獲得が非常に重要なので、集客もカバーできるMAツールを選ぶとより大きな成果が見込めます。
例えば、広告配信、LP作成、個人情報入力フォーム機能まで搭載されていると、非常に便利です。
集客機能を備えたBtoB向けMAツールには次のような製品があります。
List Finder | Pardot | Marketing Hub | SATORI | |
Web接客機能 | ー | ◯(オプション) | ◯ | ◯ |
プッシュ通知 | ー | ー | ー | ◯ |
LP作成 | ◯(オプション) | ◯ | ◯ | ◯ |
フォーム作成 | ◯(上位プラン) | ◯ | ◯ | ◯ |
広告連携 | ー | ◯(上位プラン) | ◯ | ◯ |
BtoBとBtoCのマーケティングの違い
BtoBとBtoCのビジネスは、どちらも自社の製品やサービスを顧客に購入してもらうための活動であるという点は共通しています。
しかし、企業と消費者個人では、製品・サービスを購入する目的、決裁者、購入までの期間、製品・サービスへの理解度、対象顧客の母数もそれぞれ大きく違ってきます。
BtoBマーケティングの特徴
企業では、決済には複数の人が関わり、「その製品・サービスを利用することが、自社の利益に結びつくかどうか」について、合理的かつ客観的に判断していきます。
そのため購入までには、必然的に時間が長くかかります。基本的に事業で利用するものであるため価格は比較的高額であり、製品・サービスへの顧客の理解度は一般消費者に比べて浅くなる傾向にあります。
国内向けのビジネスであれば約385万社(「平成28年経済センサス-活動調査」より)の企業が対象となり、母数はBtoCよりもはるかに少なくなります。
BtoCマーケティングの特徴
BtoCマーケティングの対象は消費者個人です。多くの場合、個人の主観や感情で意思決定をするため、購入までに要する期間は比較的短めです。
個人が利用するものですから価格は安く、顧客の製品・サービスに対する理解度は深い傾向にあります。国内向けのビジネスなら、単純に考えれば日本の総人口である約1億3000万人が対象となり、母数はBtoBに比べて圧倒的に大きくなります。
BtoB向けのMAツール、BtoC向けのMAツールの違い
BtoBとBtoCの違いについて解説しましたが、それぞれのマーケティングで利用すべきMAツールは異なるのでしょうか。
BtoB向けとBtoC向けの厳格な区分けはない
MAツールそのものには、BtoB向けやBtoC向けといった厳格な区分けはありません。
しかし、BtoBとBtoCでは、マーケティングプロセスの中で重点的に取り組むべきポイントや扱うデータの量に違いがあります。
MAツールは、製品ごとに強みとしている機能がある程度異なるので、それぞれの目的に合ったツールを選ぶとよいでしょう。
BtoB向けMAツールの特徴
【特徴】
- 見込み客ごとにステータスを管理できる
- スコアリング機能が充実している
すでに説明しましたが、BtoBビジネスの顧客となる企業は、念入りに情報収集を行い、購入を決めるまでに長い時間がかかる傾向があります。また、ターゲットが限定的なのも特徴です。
したがって、リードの長期的な育成とホットリードの抽出が重要となるため、BtoBを得意とするMAツールは、こうした機能にフォーカスしてあることがほとんどです。
BtoC向けMAツールの特徴
【特徴】
- 大量のデータを管理できる
- 多様なチャネルに対応している
BtoCではBtoBに比べて対象顧客の母数が多く、その分取り扱うデータ量も膨大になるため、サーバーの処理能力やストレージの容量が重要です。
また、BtoCでは、メールだけではなく、LINEやSNS、スマートフォンアプリ、YouTubeといった幅広いチャネルからのアプローチが不可欠になるため、チャネル別の配信機能が備わったMAツールが適しています。
まとめ
BtoCに比べて対象母数が限られるBtoB向けのビジネスでは、継続的な顧客育成をサポートしてくれるMAツールを選ぶことが大切です。集客もカバーできるツールだとなおよいでしょう。
メール配信の自動化や見込み客の管理、スコアリングといった必須の機能に加え、休眠顧客の掘り起こしができる機能があるかどうかも確認してください。SFAやCRMとの連携なども考慮して、自社に合ったMAツールを選びましょう。