杉野 愼のプロフィール写真

株式会社TECO Design 代表取締役社長
杉野 愼さん

岡山県笠岡市出身。広島大学大学院工学研究科修士課程修了。医療系IT上場ベンチャー企業、大手社会保険労務士事務所などを経て、2019年に株式会社TECO Designを設立。
医療系IT企業ではテレアポから営業トークまで各種の営業手法を徹底的に分析したアプローチを取り入れてトップセールスを継続達成。社労士事務所では担当企業のIPO、M&Aなどにも関わりつつ、IT推進室室長としてIT化推進などに注力する。
2019年9月に株式会社TECO Designを設立。勤怠や給与計算などクラウドシステムの導入、データベースの導入や移行、バックオフィスの業務設計などを手掛ける。これまでにシステム導入支援を手掛けた企業は200社以上。
クラウドサービスの比較、検討、ショールームの予約などができる、オウンドメディア「クラウドステーション」も運営。

専門家おすすめの労務管理システム3製品を比較

これまでに、200社以上の労務管理システムの導入を支援してきた株式会社TECO Design代表の杉野愼さんがおすすめする3製品を紹介します。

実際に製品を利用している企業の評価もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

【製品比較表】

 SmartHRオフィス ステーション人事労務freee
対応帳票数2412433
おもな機能・従業員情報管理
・入退社手続き
・年末調整
・電子申請
など
・従業員情報管理
・労務手続き
・電子申請
・電子明細
など
・従業員情報管理
・勤怠管理
・給与計算
・年末調整 など
API連携可能なクラウド型の給与計算システム5製品
・マネーフォワード クラウド給与
・人事労務freee
・PCA hyper 給与
など
6製品
・マネーフォワード クラウド給与
・PCA給与Xクラウド 
・給与奉行i11
など
なし
従業員による入力
月額利用料金 (従業員1人につき)要問い合わせ424円(税込)※1550円(税込)+基本料金※2
無料トライアル15日間30日間要問い合わせ
※1 従業員数100人、すべてのプラン機能を選択した場合の料金
※2 ベーシックプランの料金

機能の網羅性や他製品との連携に優れた「SmartHR」

smartHRキャプチャ
出典:「SmartHR」公式サイト(https://smarthr.jp/smarthr/)
SmartHR
公式サイト https://smarthr.jp/
運営会社 株式会社SmartHR

【製品の基本情報】

おもな機能プラン月額利用料金 (従業員1人につき)
・人事情報管理
・入退社手続き
・年末調整
・電子申請
・従業員サーベイ
・社員名簿 など
・スタンダードプラン
・プロフェッショナルプラン
・スモールプラン(50人以下向け)
要問い合わせ

【各選定軸の評価】

帳票数機能の網羅性
他システムとの連携従業員による入力

利用しやすいUIと連携可能な製品の多さが特徴の労務管理システムです。全国3万社以上の導入実績を誇ります。

給与計算システム5製品とAPI連携が可能。スマホアプリからでも各種手続きが行えたり、書類の印刷代行サービスがあったり、細かい部分も充実しています。

機能が豊富で連携にも優れているため、必要な機能が明確な企業や、システム間の連携による効率化を目指している企業におすすめです。 

【連携可能なおもな他製品】

給与計算ソフトマネーフォワード、PCA給与hyper、人事労務freee など
勤怠管理サービスジョブカン勤怠管理、勤革時、KING OF TIME など
採用管理サービスJobSuite、Talentio、HITO-Linkリクルーティング など
評価管理システムRECOG、HR Brain など
チャットツールslack、Chatwork、Microsoft Teams  など
その他Asteria、Trust Login、ALLIGATE、Cloud Gate UNO など

【杉野さんコメント】

Smart HRは労務を熟知している技術者が設計したと思えるような作り込みで、機能や外部連携が非常に充実しています。いわゆる「かゆいところに手が届く」製品と言えるでしょう。労務管理がより「楽」に、より「簡単」になることを最優先させたいならSmart HRがおすすめです。

【導入企業の評価】

SmartHRを導入したことで、従業員の住所、連絡先、マイナンバーなどの情報を一元管理できるようになりました。情報の入力や社員への説明などの手間も減り労務業務の工数削減につながりましたが、それ以上に閲覧権限を細かく設定することで情報を適正管理できるようになったことがメリットとして大きかったですね。

また、担当者のサポートも手厚く、弊社の外国人スタッフのために、英語版のマニュアルも作成してくださったことに感動しました。

会計システムはfreeeを利用しているのですが、連携ができると良いなと思います。例えば、従業員の口座情報が変更になった場合に、別々に修正しなくてはいけないので面倒くさいです。それと、スタンダードプランを契約しているのですが、雇用契約書の機能は別料金になるのが少し不満です。

(ITサービス/100人規模)

勤怠管理や給与計算もできる「人事労務freee」

人事freeeキャプチャ
出典:「人事労務freee」公式サイト(https://www.freee.co.jp/hr/
人事労務freee
公式サイトURL https://www.freee.co.jp/hr/
運営会社 freee株式会社

【製品の基本情報】

おもな機能※プラン月額利用料金 (従業員1人につき)
・従業員情報管理
・勤怠管理
・給与計算
・年末調整
・マイナンバー管理
・有給管理 など
・ミニマムプラン
・ベーシックプラン
・プロフェッショナルプラン
・エンタープライズプラン
ミニマムプラン: 330円(税込)+基本料金
ベーシックプラン: 550円(税込)+基本料金
プロフェッショナルプラン: 770円(税込)+基本料金
エンタープライズプラン: 要問い合わせ
※プランによって利用できる機能の範囲が異なる

【各選定軸の評価】

帳票数機能の網羅性
他システムとの連携従業員による入力

約25万の事業所で導入されているのが「人事労務freee」です。

労務業務に関する機能は一通り備わっており、さらに、勤怠管理や給与計算も行えるのが特徴です。システム上で勤怠情報をもとに給与を自動計算できます。ただし、単価×時間(日数)の給与計算ができないため、例えば日勤と夜勤があるような職場だと対応できないので注意が必要です。

【勤怠管理機能と給与計算機能の有無】

 人事労務freeeオフィス ステーションSmartHR
勤怠管理機能××
給与計算機能××

【杉野さんコメント】

人事労務freeeは、「1データベース」の製品なので情報管理が楽です。わざわざ勤怠管理や給与計算など機能ごとに社員情報を更新する必要がありません。もちろん、従業員自身でデータ入力もできるので、労務担当者の作業を最大限に減らすことができる製品です。

【導入企業の評価】

人事労務freeeはスマートフォンに近い今風なインターフェイスで、感覚的に使えるのが良いと思います。社員からも「使いやすい」と評判です。

入社手続きや年末調整の工数は約8割削減できました。特に年末調整はもともと紙でやっていたのですが、人事労務freeeによって本当に楽になりましたね。紙のときは1人当たり30分ほどかかっていたのが、5分程度で完了できるようになりました。記入ミスによる差し戻し回数もかなり減っています。

弊社はグループ会社があるため、経営層には2社以上からの収入がある社員がいます。しかし、人事労務freeeは複数から収入がある場合に対応できません。また、健保組合の場合、会社と従業員で負担割合が異なるのですがそれを設定できないため、毎回手作業による入力が都度発生するのが手間です。

(専門商社/50人規模)

帳票数No.1の「オフィスステーション」

オフィスステーションキャプチャ
出典:「オフィスステーション」公式サイト(https://www.officestation.jp/)
オフィスステーション
公式サイト https://www.officestation.jp/
運営会社 株式会社エフアンドエム

【製品の基本情報】

おもな機能プラン月額利用料金※ (従業員1人につき)
・人事情報管理
・労務手続き
・電子申請
・給与明細
・マイナンバー管理
・有給管理 など
・労務管理
・年末調整
・給与明細
・有給管理
・マイナンバー
上記5サービスを自由にカスタマイズ
全プラン選択: 424円(税込)
労務管理のみ: 202円(税込)
※公式サイトの料金シミュレーションより算出

【各選定軸の評価】

対応帳票数機能の網羅性
他システムとの連携従業員による入力

オフィスステーションは、1万5000社以上に導入されている労務管理システムです。

124種類の労務関連帳票に対応。もちろん電子申請も可能です。また、クラウド型の給与計算システム6製品とAPI連携ができます。

必要な機能を選んで組み合わせるアラカルト形式で利用ができるのも大きな特徴です。法改正にも自動で対応するので品質管理にかかる手間も減らせます。

【帳票数と連携可能な給与計算システム】

 オフィスステーションSmartHR人事労務freee
帳票数1242433
API連携可能なクラウド型の給与計算システム6製品
・マネーフォワード クラウド給与
・PCA給与Xクラウド
・給与奉行i11
など
5製品
・マネーフォワード クラウド給与
・人事労務freee
・PCA hyper 給与
など
なし

【杉野さんのコメント】

もともと社労士向けに開発された製品だけあって、圧倒的な帳票数が何と言っても魅力です。一般的な労務管理システムの帳票数の平均は20~30程度ですが、オフィスステーションは124。帳票数で選ぶならオフィスステーションがおすすめです。

【導入企業の評価】

年末調整を紙で行っていたのですが、作業が大変で郵送のコストもかかるため、労務管理システムを導入することにしました。

オフィスステーションを選んだのは、帳票数が多かったことと、年末調整や給与明細など必要な機能を自由に組み合わせられることが理由でした。

オフィスステーションを導入したことで年末調整をシステム上から簡単に行えるようになりました。役所に書類を提出しにいったり、源泉徴収票を一人ひとりに配ったりする必要もなくなったため、労務管理の工数は約50%削減できました。

ただし、帳票数は多いものの、傷病手当金や出産手当金に関する書類は電子化に対応していないので、改善されるとありがたいです。

(イベント企画/300人程度)

専門家が勧める労務管理システムの選び方

労務管理システムといっても、たくさんの製品がリリースされています。せっかく導入したのに自社に合わないものを選んでしまい成果が得られなかった、といった事態は避けたいですよね。

杉野さんに製品選びのポイントについて詳しく伺いました。

製品は4つの軸で選ぶ

――労務管理システムはどのような軸で選べば良いのでしょうか? 

おもに、以下の4つの軸で製品を比較する良いでしょう。

労務管理システム選定の軸と重視すべき企業】

製品選定の軸重視すべき企業
(1)帳票数
・グローバル企業 ・ケガや病気のリスクが高い企業(建設、運送など)
(2)機能の網羅性・改善したい業務が明確な企業
(3)給与計算システムとの連携・従業員数が多い企業 ・入社者が多い企業
(4)従業員自身による入力や情報確認が可能か・小売、飲食など多店舗展開している企業 ・支店が多い企業

(1)帳票数

──帳票は具体的にはどのような種類のものがあると良いのでしょうか?

大きく分類すると、労働基準監督署に提出するもの、ハローワークに提出するもの、健康保険関連で提出するもの、年金事務所に提出するものの4つです。出力(印刷)できる帳票の種類に加えて、システム上から電子申請ができるかも確認しておくことが大切です。

 ──電子申請に対応していないと、どのようなデメリットがありますか?

書類を役所に提出しに行ったり、郵送したりする手間と時間がかかります。また、大企業は労働保険や雇用保険などの書類で電子申請が義務化されていますから、対応できないと大変です。ただし、従業員数が10人程度で、入れ替わりが年に1人いるかいないかぐらいであれば、書面で提出してもさほどの手間にはならないと思います。

──多種類の帳票対応が必要になるのはどのような企業でしょうか? 

外国人労働者が多い企業ケガや病気のリスクが高い企業ですね。例えば、コンビニや介護施設などは、外国人の従業員も多数在籍しますので、日本人とは別種類の書類が必要になることがあります。建設会社や運送会社などは、工事現場や運転中の事故に備えて、労災関連の帳票が必要になります。

(2)機能の網羅性

──機能面では、具体的にどのような機能に注目したら良いのでしょうか? 

「電子申請」と「年末調整」の2つは必須です。電子申請に対応していないと、書類を各機関に提出しに行かなくてはいけません。年末調整は従業員と担当者どちらにとっても負担が大きいので、システムによって効率化したい作業です。電子申請は申請証明書も取得できるかもチェックしておくと良いでしょう。

「給与計算機能」「勤怠管理機能」「サーベイ機能」「モバイル機能」などの有無も、製品によって差が出るところです。

 ──「機能の網羅性」を重視すべきなのはどのような企業でしょうか? 

改善したい業務が明確な企業です。社会保険手続きの業務を改善したい場合には、電子申請機能や帳票作成機能が重要になります。従業員情報の管理に課題があるならば、データベース機能を備えた製品を選ばなくてはいけません。

機能を確認するときは、営業担当者からの説明だけではなく、製品のヘルプページまで読み込んで細かく確認しておくと良いでしょう。

(3)他システムとの連携

──3つ目の「他システムとの連携」について詳しく教えてください。

一番注目したいのは「給与計算システムと連携ができるか」という点です。労務では、給与計算の結果を使って作成する書類が多くあります。給与システムとの連携ができると、転記したり、データをCSV形式で取り込んだりする必要がないため、担当者の作業負担が小さくなりますし、ミスも起こりにくくなります。

労務で提出した書類の内容を給与計算に反映させなければならないこともありますから、双方向のシステム連携が可能か確認しておくようにしましょう。

また、どの項目が連携できるかをチェックすることも大切です。「氏名」「従業員番号」は必須で、「所属」「社会保険の標準報酬月額」「入社日(取得日)」などが特に重要になります。また、労務管理システムで入社情報の収集をしていたり、身上異動のワークフローを行っていたりする場合には、基本給や住所、銀行口座なども連携したいところです。

連携できる項目は製品によって違います。ほとんどの製品は公式サイトに明記されているので、事前に確認するようにしてください。

──他システムとの連携を特に重視すべきなのはどのような企業ですか? 

従業員数が多い企業」や「入社者が多い企業」が該当するでしょう。一人当たりの転記作業は大したことがなくても、従業員が多くなるほど負担が増え、ミスも起こりやすくなります。労務業務を1人の担当者が行っている場合、1カ月に入社手続きが3~4件発生するようなら、連携していないと手が回らなくなるでしょう。

(4)従業員自身による入力や情報確認が可能か

──従業員が自分で情報を入力できるかどうかは、なぜ重要なのでしょうか? 

従業員の情報に変更が出るたびに労務担当者が入力しなくてはいけないので、負担が大きくなるからです。ただし、セキュリティや情報管理の観点から、従業員が直接入力できない仕様の方が好ましい企業もあるでしょう。 

──この軸が特に重要になるのは、どのような企業でしょうか? 

多店舗展開している企業や、支店が多い企業です。そうした企業は、各店舗や支店から従業員情報の書類が送られてくるため管理が大変です。入力にも相当な時間がかかります。本人が入力ができるほうが効率的で管理も楽です。

労務管理システムを導入するメリットとは?

労務管理システムを導入する企業は増えていますが、いまだに紙やExcelなどを使って労務業務を行っている企業も多く存在します。労務管理システムを導入すべき理由ついて、改めて杉野さんに伺いました。

労務業務が効率化され担当者や従業員の負担が減る

──労務管理システムを導入するメリットは何でしょうか?

一番大きなメリットは、労務業務が効率化されることです。労務管理システムを導入することで、例えば、離れた拠点から書類作成に必要な資料を郵送してもらったり、それをわざわざ転記したりする手間と時間がなくなります。数日から1週間かかっていた業務がその日のうちに終わってしまうこともあります。

また、紙で手続きをしていると、郵送するために送り状を手配したり、Excelやスプレッドシートでどこまで進んだか管理したりなど、それに付随する仕事も増えてしまいます。こうした業務を発生させない効果もあります。

労務担当者がコア業務に専念できる

──作業を効率化するほかに導入メリットはありますか?

ノンコア業務にかかる時間が減るので、担当者が「コア業務」に専念できるようになるのも大きなメリットでしょう。そもそも、企業は労務管理の事務作業で利益を上げているわけではありません。利益が出ない付加価値の低い作業をシステムに任せられれば、その分、付加価値の高いコア業務に集中できるようになります。

──労務担当者にとって「付加価値の高い仕事」とはどのよう業務でしょうか?

従業員が「企業活動のコア業務」に専念できる環境を作ることです。

「扶養者変更の手続きを行わなくてはいけない」「病院に行きたいが保険証が届かない」といった場合に、手続きに時間を取られているようだと、従業員もコア業務に集中しづらくなります。従業員の残業時間や有給取得率などを管理して労働環境を改善することも労務担当者の大切な仕事です。

採用力が強化される

副次的ですが、採用活動への影響も考えられます。

採用面接では労働環境に関する質問も多く出ます。労務管理システムを採用していれば、平均残業時間や有給取得率を把握できるのですぐに回答できます。また、データをもとに労働環境を改善していくことで、応募者への印象が良くなり採用活動にもプラスの効果が出るでしょう。

むしろ、導入していないことで、「今どき労務管理システムもないなんて…」と、応募者に敬遠される可能性があります。「この書類とこの書類に印鑑を押して1週間後に持ってきてください」と伝えると、「Web上ですべて完結できないんですか?」とネガティブな印象を受ける応募者も多いはずです。

労務管理システム導入前に注意すべきこと

せっかく労務管理システムを導入したのに、思うような効果が得られなかったというケースも少なくありません。そうした事態を防ぐために、事前に注意すべきポイントについて杉野さんに聞きました。

「素材」「加工」「品質管理」のどこに自社の課題があるかを明確にする

──労務管理システムを検討する際に注意すべき点について教えてください。

まず、労務業務のどこに課題があるのか整理することが大切です。労務業務は、「素材」「加工」「品質管理」の3つのフェーズに分けることができます。

労務の課題フロー図

素材

まず、「素材」。この段階で行うのは必要な書類の収集作業です。例えば、社会保険を取得する際には、履歴書、通勤費の申請書、雇用契約書、年金手帳かマイナンバーカード、などの書類がないと手続きを進められません。このような書類を従業員から集めるのが「素材」のフェーズです。

従業員からすれば、どの書類を提出すれば良いのかわからないことも多いので、必要な書類が全部そろうまでには結構な時間と手間がかかります。ですから、まずはすべての書類が簡単にそろうように「仕組み化」することが大切です。

書類が一度に全部そろえば理想的ですが、難しければどの書類が提出済みで、どの書類が不足しているか管理できるようにしなければなりません。これが素材フェーズにおける課題です。

加工

「加工」は、集めた書類の記載内容に不備がないかを確認しつつ、集約する作業です。添付書類のフォーマットを整える作業なども含まれます。 

加工フェーズの典型的な課題として「転記中の記入ミス」があります。労務で取り扱う書類は「個人情報」に関わるものが多く、作業を中断するたびに保管場所に戻し厳重に管理する必要があるため、転記をミスが起こりやすくなります。

 品質管理

「品質管理」は、「素材」「加工」を経て作成した書類をチェックする作業です。この段階では、必要な書類がそろっているか、記載漏れがないかを確認します。

品質管理における課題としては「チェックするための十分な時間が取れない」ということが挙げられます。よくある話ですが、素材や加工の段階で9割の時間がとられ、チェックには残りの1割程度しか割けない。これでは、書類の品質が保てず、後で「差し戻し」が起きやすくなります。

担当者が新しい手続きの方法や書類の新フォーマットなどを調べたり習熟したりする時間がないことも品質が落ちる理由の一つです。制度が変わり書式や提出方法も新しくなっているのに、担当者がそれを知らないまま従来のフォーマットで書類を作成してしまい、差し戻しになってしまうことがあります。

「素材」「加工」が課題なら労務管理システムを導入すべき

──労務管理システムの導入効果が大きいのは、「素材」「加工」「品質管理」のどこに課題があるときでしょうか?

特に「素材」と「加工」です。先ほど説明した通り、「素材」と「加工」が労務業務の大半を占めているので、ここの時間を短縮できれば「品質管理」に時間を割けるようになります。

さらに言うなら、「素材」と「加工」で発生する作業は、担当者個人の技量があれば時間を短縮できるというものでもなく、むしろ、仕組みを整備したほうが時間短縮につながります。「素材」の段階で言うなら、労務管理システムの「プリセット機能」でかなり時間短縮が実現できます。「指定された書類をすべて添付しなければ申請が提出できない」という仕組みにすることで、紙の書類では起きがちな書類の不備が大幅に減らせます。

また、従業員本人がシステム上で必要事項を書き込めるようになるので、「加工」の段階で発生していた転記作業も不要になります。転記ミスがなくなりますし、かなりの時間短縮にもつながるでしょう。

「品質管理」に課題があると導入効果が小さくなる場合もある

──「品質管理」に課題がある場合は、労務管理システムの効果は出にくいのでしょうか?

「品質管理」のフェーズにおける課題解決の糸口はむしろ、システム導入以前の部分にあるケースも多いです。

「素材」や「加工」と異なり、「品質管理」は担当者の技量に左右される部分も大きいと言えます。書類は完成しているのに提出できていない、担当者が確認したうえで提出したのに各機関から差し戻されてしまった、などの状態であれば、「担当者の習熟度」「業務フローの未整備」などが原因として考えられます。その場合、労務管理システムの導入より先に、担当者のスキルアップや業務フローの見直しを優先して行う必要があるでしょう。

まとめ

労務管理システムの導入で、労務業務を効率化し、担当者は付加価値の高いコア業務に集中できるようになります。

特に、必要書類を集める段階で手間取っていたり、必要書類を整理して規定の帳票に転記する作業に時間を取られたりしている場合は、労務管理システム導入の効果は絶大です。

システム選びでは「帳票数」「機能の網羅性」「他システムとの連携」「従業員による入力」の4つの軸を参考に、自社に合ったものを検討してみてください。無料トライアル期間が設けられている場合には、実際に製品を使用して機能や操作性を確認すると良いでしょう。

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