青山学院ヒューマン・イノベーション・コンサルティング株式会社 キャリア開発事業部 部門長兼特任研究員
日本イーラーニングコンソシアム eLPチューター

高宮 幸代さん

外資系IT企業勤務を経て、社会人留学で米国インディアナ大学ブルーミントン校 ビジネス学部を卒業。青山学院大学のeラーニング人材育成研究センター(eLPCO)でeラーニングの研究補助に携わる。

現在、eラーニングの学習支援や大学生の就活支援のほか、オンライン大学で社会人学生の相談業務や、オンラインファシリテーションなども務める。自治体と連携して中高年のセカンドキャリア支援オンラインセミナーの企画・運営も行っている。2級キャリアコンサルティング技能士。CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)。

編集部のおすすめ製品5選|機能と料金の比較表も紹介

ここからは、編集部おすすめのeラーニングシステムを、高宮さんが挙げたポイントに注目しながら解説していきます。ぜひ参考にしてください。

【機能比較表】

機能/製品AirCourselearningBOXSchooedenLMSPlaton
導入形態クラウド型クラウド型クラウド型クラウド型クラウド型/インストール型
提供サービスLMS+教材LMS+クイズ・テストLMS+教材LMSLMS+教材
研修形態ハイブリッド型オンデマンド型ライブ型/オンデマンド型オンデマンド型ハイブリッド型
スマホ・タブレット対応
教材規格MP4/PowerPoint/PDFSCORM/MP4/PDF/YouTubeMP4/PDFSCORM/PowerPoint/PDFSCORM/MP4/YouTube
ナレッジ共有(SNS/掲示板)slack掲示板機能Facebook、Twitter掲示板機能
メール通知
学習ログ機能
対面研修の管理
レポート機能
課題・成績管理
コンテンツ作成
テスト機能
アンケート作成
修了証の自動発行
対応言語日本語多言語対応日本語日本語多言語対応

【料金形態比較表】

料金形態/製品AirCourselearningBOXSchooedenLMSPlaton
月払い/年払い月払い/年払い月払い/年払い月払い月払い月払い/年払い
初期費用0円0円0円0円0円
無料トライアル
無料プラン
ユーザーID数課金
同時アクセス数課金
ディスクサイズ課金

自社にあった製品がわかる!フローチャート

どの製品を選べばいいのかお悩みの方は、下のフローチャートを使って自分に適した製品がどれか確認してみてください。

eラーニングシステムの選び方

次に、各製品の特徴を導入企業の評価とともに紹介していきます。

社員研修が充実!ハイブリッド型の「AirCourse」

Aircourseキャプチャ
出典:Aircourse公式サイト(https://aircourse.com/
AirCourse(エアコース)
公式サイト https://aircourse.com/
運営会社 KIYOラーニング株式会社

プラン料金表(税込)

 フリープランベーシックプランコンテンツプラスプラン
ライセンス数1〜990円月396円/1ユーザー月660円/1ユーザー
ライセンス数100以上人数に応じてディスカウントあり人数に応じてディスカウントあり
【特徴】
・研修動画の視聴が無制限
・オリジナル動画が簡単に作成できる
・対面研修の管理が可能

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「AirCourse」の「コンテンツプラス」プランでは、新人研修やコンプライアンス教育などに関する160種類以上の動画コンテンツが時間・回数無制限で視聴できます

管理機能が優れているのもAirCourseの強み。各社員の受講状況や成績がレポート形式で表示できるので、管理者の業務負担の軽減にも役立ちます。

さらに、既成のコンテンツだけでなく、自社オリジナルの教材を作成することもできます。

動画教材は「動画の撮影」「動画のアップロード」「配信」の3ステップで完成します。スマホで撮影した動画をアップロードできるので、専門の機材をそろえる必要はありません。

低価格で始めやすい!オンデマンド型の「learningBOX」

learningboxキャプチャ
出典:learningBOX公式サイト(https://lms.quizgenerator.net/
learningBOX(ラーニングボックス)
公式サイト https://lms.quizgenerator.net/
運営会社 株式会社龍野情報システム

通常ライセンスプラン料金表(税込)

 フリープランスタータープランスタンダードプラン
月契約無料(10アカウントまで)100アカウントにつき5500円/月100アカウントにつき1万1000円/月
年間契約無料(10アカウントまで)100アカウントにつき3万3000円/年100アカウントにつき9万9000円/年
【特徴】
・100人利用でも年間3万3000円~(税込)と格安
・テスト問題が簡単に作成できる

小規模向けに手頃な価格で提供されているeラーニングシステムが「learningBOX」です。

高宮さんもおすすめ!

データ容量10GB1教材あたり30MBまで利用できる「スタータープラン」なら、100アカウントごとに1年間で3万3000円(年間契約料金、税込)と格安な料金設定が嬉しいポイントです。

フォームに入力するだけで「テスト問題」が簡単に作成できるのも大きな魅力です。出題形式も選択式、○×式、記述式、穴埋め式など10種類以上から選べます。

PDFや動画、レポートなど、作成できる教材のバリエーションも豊富です。

対応している教材規格は以下です。

・iSpring教材
・SCORM教材
・YouTube教材
・ifreme教材
・PDF教材
・MP4


こうした使いやすさもあって企業研修や検定試験、通信教育など様々なシチュエーションで利用されています。

導入企業からの評判

【導入背景】

コンプラアンス研修など全社的な受講が必須となったために導入。特に在宅ワークの社員も増えており、この状況では通常の研修体系では対応しきれず、さらに、研修受講後に参加人数を把握する必要もあった。この課題を解決するためには、eラーニングシステムの導入しかないと判断した。また、受講の進捗度把握が必要になるために、トータル的な操作性が優秀なeラーニングシステムが対象となったのでlearningBOXの導入を決めた。

【製品の決め手】

eラーニングシステムを調べている中で、受講者が操作しやすい点が導入の決定要因。非常に見やすく直感的に扱える点が魅力で、初めてアクセスした人でも迷うことがなく分かりやすい操作で、研修を受けることができる。他のシステムについてサイトで調べたり、資料を取り寄せたことはあるが、実際に検討する段階までは至らなかった。learningBOXを調べた際に、画面の見やすさや操作性の良さを理解していたため、他のシステムは全て検討対象外となった。

【ポジティブな評価】

learningBOXを導入したことで、研修受講者の数が毎回ほぼ100%に近い参加率となった。しかも、現場から操作についての質問があまりなかったために、扱いやすさも高いと判断できる。また、コンテンツの用意も非常に簡単なので、設定する側も負担が少なく助かっている。それでいて、かなり深い専門性の高い研修が行えるので、対面研修をするより社員とスタッフの業務時間に占める割合が8割減ったのではないかと思っている。

【ネガティブな評価】

learningBOXそのものに大きな課題があるわけではないが、eラーニングシステムの導入により、研修に対する社員のモチベーションがどの程度あるかを把握しづらくなっている点が課題だと感じる。また、対面研修では生徒(社員)からの質問に即回答することができるが、eラーニングになるとその場ですぐに回答することができない点もデメリットかもしれない。かつ、インターネットが必須なために、全社員が一斉に受講すると、帯域が圧迫される点も懸念される。

企業情報:ソリューション会社/従業員1000人/企画

回答日:2021.5.23

ライブ型の生放送授業が特徴の「Schoo」

出典:Schoo公式サイト(https://schoo.jp/
Schoo(スクー)法人向けサービス
公式サイト https://schoo.jp/biz/
運営会社 株式会社Schoo

料金表(税込)

月1500円/1ユーザー
ライセンス数に応じてディスカウントあり
【特徴】
・「生放送授業」が豊富
・有料プランでは「録画授業」の受講も可能
・受講状況をリアルタイムでチェックできる

オンライン学習サービスで有名な「Schoo」には法人向けのプランもあり、ビジネス研修用のコンテンツとして100種類以上のパッケージが用意されています。

Schooでは特に、ライブ感を生かした「生放送授業」に力を入れており、毎日コンテンツが配信されています。この生放送授業では、講師と受講者が直接対話するインタラクティブな学習体験を得られます。

また、これまで配信された6200本以上(2021年5月現在)の授業も視聴可能です。都合のいいタイミングで専門講師の授業を受けられるのは大きなメリットです。

運用をサポートするための機能として、従業員の受講状況を把握できる「視聴履歴の管理機能」も備わっています。

Schooが掲げる「学び続ける組織づくり」のコンセプトは高く評価されており、大手上場企業から学校法人など2000社以上の企業や団体で活用されています。

導入企業からの評判

【導入背景】

弊社では新入社員の研修の為に導入しました。 今までは代々使っていたテキストを読みながらホワイトボードへ書き込むというスタイルの研修を行っていましたが、 研修内容の見直しを行った際に、効果があまりない事や今の時代にそぐわないということで研修内容の一新を行いました。 当初は外部の講師に来社いただき、講習をして貰うという案でしたが、eラーニングというものがあると知り、低価格で質の高い研修につながると判断し導入を決定しました。

【製品の決め手】

eラーニングも沢山種類があり選定に非常に迷いました。 口コミを見ても当たり障りない事ばかり書いていた為、社内会議でかなり揉めました。 結局、導入実績に大手企業の名前が多くあり、取引先でも使用していたという理由でSchooに決定となりました。社内会議で、最終候補にマイナビのeラーニングとSchooが残っておりましたが、Schooは複数の取引先での導入実績があり、営業活動の際にも共通の話題として役に立つのではないか?と言う営業部長の意見が決め手になったと思います。

【ポジティブな評価】

当初は新入社員の研修のみで使用する予定でしたが、定期的なフォローアップ研修へも使用するようになりました。 また、福利厚生の一環として資格の講座なども受講できるようにした所、社員から非常に好評でした。 また、受講履歴が管理しやすく、上司も部下の頑張りが可視化されている為、各社員に対して正当な評価ができるようになったと思います。 今まではあまり接点の無い部下の評価が曖昧になっており、不満に思っている社員もいた為、問題の解決に一役買ったと思います。

【ネガティブな評価】

基本的に不満に感じている部分はありません。 強いて言えば、資格習得を必要としない社員向けのコンテンツがもう少し充実すれば利用度が高くなると思います。 弊社の利用状況を見ると利用する社員と全く利用していない社員がハッキリ別れている為、より広い範囲の社員が気軽に使えるようにサービスが拡充されれば良いと思います。 弊社でアンケートを取った際に「趣味や娯楽、カルチャースクール代わりになるようなサービスがあれば使ってみたい」という社員が結構いました。 ただ、現在配信されているお金や経済に関してのコンテンツは人気でした。

企業情報:不動産/従業員500人/総務・人事担当

回答日:2021.5.25

完全オリジナルのeラーニングシステムを構築可能「eden LMS」

edenLMSキャプチャ
出典:eden LMS(https://eden.ac/e-learning/
eden LMS(エデンLMS)
公式サイト https://eden.ac/e-learning/
運営会社 エデン株式会社

プラン料金表(税込)

  最大同時アクセス数プラン ユーザーID数課金プラン
最大接続人数 15~200人 301人~ 10~300人 次の700人分
料金 4万4000円〜23万1000円 要問い合わせ 月297円~/1ユーザーID 月248円~/1ユーザーID

※ユーザーID数課金プランの1000人〜は要問い合わせ

【特徴】
・LMSのみ提供
・対面研修の管理が可能
・添削課題に対応
・休止プランがある

既成コンテンツが不要なら、研修システムの枠組みであるLMSだけを提供する「eden LMS」もおすすめです。

eden LMSでは教材、テスト、アンケートなどのコンテンツをWebブラウザ経由で自由に作成できます。PowerPointやExcel、PDFファイルをアップロードしてコンテンツを作成することもできるので、既存の資料や教材を生かしたい場合にもおすすめです。

また、レポートなど添削が必要な課題の作成と運用も可能です。受講者が課題を提出すると管理者に通知が届き、添削が終了すると受講者に通知がいくように設定できます。

利用状況に合わせやすい料金プランも魅力です。プラン変更は月単位で可能です。製品を利用しない月は、コンテンツやユーザーID、ユーザーの受講履歴を維持したまま1ヶ月1650円(税込)のみ支払えばよい「休止プラン」も選択できます。

導入企業からの評判

【導入背景】

社内の役職者としての資格取得(研修+試験)を行う際に、効率化できるツールを検討しておりました。クラウド型で、進捗管理が明確化できるツールだったため導入を決めました。当社ではかねてより役職資格を得るために定期的に研修と試験を設けております。研修や試験に関しては研修課が仕組みづくりを行っていますが管理運用が大変で外部ツールを導入したい要望があり、一から検討した中で本ツールの導入を決めることとなりました。

【製品の決め手】

社内の役職者選定における研修+試験を定期的に行うにあたって業務効率化を図りたいというのが一番の要因です。そのため、機能面で学習状況の進捗を簡単に確認することが出来たり、研修用のスライドなどを簡単に用意きることが決め手としてありました。他にも検討した製品はありましたが、使いやすさという点でeden LMSを選定しました。

【ポジティブな評価】

研修受講者の進捗管理が可視化しやすいという点が一番ポジティブな機能です。当社は役職者選定における研修の参加希望者が非常に多いです。かつ途中で業務等で離脱する人もおり、毎回同じ人が参加できるわけではありません。Aさんは2回目だがBさんは4回目の研修を受けているということもあります。そうなると、研修課では誰がどこまで受講しているのかが分からなくなり、業務がそれだけに費やされてしまうこともあるのですが、それが一元管理できる点が一番ありがたい点です。

【ネガティブな評価】

研修内容もeden LMSの中で簡単にカスタマイズできるので助かっているのですが、もう少しバリエーションのあるテンプレートや機能があるとよりいいかなと感じています。また、ダウンロードの機能ももう少し充実して、いろいろな場面で出力でき、またインポートもできるとありがたいです。ただ、金額に対して基本的には満足していますのでそこまで大きなマイナスと感じたことはありません。細かな設定の部分も担当者さんが教えてくれるので助かっています。

企業情報:IT広告サービス/500~1000人/総務人事

回答日:2021.5.23

クラウド型とインストール型の両方に対応「Platon」

platonキャプチャ
出典:Platon公式サイト(https://platon.logosware.com/
Platon(プラトン)
公式サイト https://platon.logosware.com/
運営会社  ロゴスウェア株式会社

【クラウド型料金プラン(税込)】

お手軽スタートパック 従量課金制 月額定額制
利用人数プラン 同時接続数プラン
月額基本料金1万5400円~+利用人数分 月額利用料2万8000円~ 14万3000円〜/月

【インストール型プラン(税込)】

パッケージ販売(買取)年間定額制
35万2000円〜132万円〜
【特徴】
・無駄のない料金体系
・受講者の個別対応が可能
・クラウド型とインストール型がある
・8言語に対応

Platonには月額定額プランと、月間ログイン人数に応じて料金を支払う従量課金プランがあります。製品を利用しない期間は「スリープモード」として月額基本料金の10%を支払えば契約を継続できます

管理画面はスマホやタブレットに完全対応しており、モバイル環境でもPC利用時と同じように研修の進捗管理ができます。

特定の受講者だけに研修を実施する「特別研修」や、個別の質疑応答機能も備わっており、きめ細やかなケアが可能です。

こうした使い勝手のよさから社員教育や大規模な講習会まで幅広いシーンで利用されています。また、Platonは、今回紹介した中では唯一インストール型も用意されている製品です。

導入企業からの評判

【導入背景】

コロナの関係で会社での勤務ではなく在宅が推奨されるようになりました。在宅勤務への移行にあたり、週に2,3回の研修を行うことが決まり、個人で管理するよりシステム化したほうが今後のためになると考えました。また在宅社員と出勤社員が半々くらいなので集合研修は難しく、在宅勤務の際に好きな時間に個人のペースで研修参加、実施が出来るようにすれば結局はコストも下がり効率化すると考え、導入を決めました。

【製品の決め手】

導入に際して、どのような企業が良いかのリサーチを行いました。ある程度料金が高くても実績があり、初心者に対しても分かりやすいようなサービスが良く、口コミや導入実績の比較からPlaton(クラウド型)を選定しました。

【ポジティブな評価】

私個人としてはあまり興味がなく「どうせどこかで見たようなテキストや資料をネットで見るだけでしょ」と思っていました。実際に会社から出された課題や研修内容はあまり役に立ちませんでしたが、管理や集約に関しては良いと思いました。今まではエクセルでの管理で、入力などが手間だと思っていましたが、このシステムの導入で進捗の管理がしやすくなりました。また時間と場所を選ばず、自由に自分のペースで学習できる機能があることも助かります。

【ネガティブな評価】

個人としては使いこなすまで時間はそうかからなかったです。若い年齢の人であれば慣れるまで時間は不要ですが、私の会社のようにPCスキルが低い方は慣れるまで時間がかかると思います。どの画面を開けばいいのか・クリックすればいいのかや入力自体に時間がかかる年齢層やスキル層には定着がしにくいのではないかと思います。個人的にも、入力項目の多さ機能面のサービスの細かさが悪い部分になることも感じるので、もっとシンプルな内容でもいいかもしれません

企業情報:株式会社サニックス/エネルギー関連/400名/経理担当

回答日:2021.5.17

【導入背景】

社内の研修センターの講座が増えてきたことで、社員の受講機会が減ってきたことによります。 毎年、社員を対象に受講生を募集していますが、新入社員の必修研修の受講率は高いのです。しかし、中間管理職や係長クラスの研修カリキュラムが増えているのにもかかわらず、これに対する受講率がかなり低くなっていることが課題でした。 そのためにeラーニングシステムを取り入れる必要があり、その対象としてPlatonが選考に入ることになりました。

【製品の決め手】

当社でも独自のカリキュラムを用意しているのですが、Platonでも、標準的な教材が多く準備されています。 特に社内で重要視されている情報セキュリティーに関する研修やパワハラ・セクハラ・モラハラなどのハラスメントに関する研修カリキュラムを厚くしなくてはなりませんでしたが、Platonでは、その標準教材が充実していたことが、決定要因の1つです。

【ポジティブな評価】

Platonの導入により、当初目論んでいた中管管理職や係長クラスの必須研修の受講率が上がってきました。 特にハラスメント問題については、シビアな時代になっているために、この研修は対象者全員が受講するべきものとして、社内で啓蒙活動を行っています。 このような活動を実施しても、今までは実際に講習日程に合わせて、出席させる必要がありましたが、クラウド型の研修形態となったために、各管理職が自分の都合のつく時間帯で受けることができています

【ネガティブな評価】

当社では技術研修も昔から実施してきていました。 特にIT関係の基礎知識などのもカリキュラムを用意していたのですが、これもeラーニングに移行したいと考えています。Platonは標準的な研修商材は充実しているものの、 残念ながらこの専門特化した技術関連に関する商材がなく、できればそのツールも充実して欲しいと思います。 そうすれば横断的な幅広い研修を社員に受講させることができ、知識の向上がさらに図れると考えています。

企業情報:医療機器開発/従業員1000人/企画

回答日:2021.06.08

eラーニングシステム選びの4つのステップ

eラーニングシステムを選ぶ際に重視すべきポイントについて、日本イーラーニングコンソシアム eLPチューターの高宮幸代さんに伺いました。

第1ステップ:「クラウド型」か「オンプレミス型(インストール型)」か決める

――eラーニングシステムはどのように選べばよいのでしょうか?

次に挙げる4つのステップで、自社にあった製品を絞っていくと良いでしょう。

eラーニングシステムを選ぶ4つのステップ

まず最初のステップは、「クラウド型」と「オンプレミス型(インストール型)」のどちらにするか決めることです。

【こんな企業はクラウド型がおすすめ】
・人事担当者が複数の業務を兼任し、人材教育にリソースが割けない企業
・研修プログラムが確立できていない企業
・エンジニアがいない企業

クラウド型のシステムは、インターネット環境さえあればどこにいても利用できます製品のメンテナンスやアップデートも自動です。また、「研修コンテンツ」が一通り用意されている製品もあるので、コンテンツを作成する手間も省けます

それに対して、オンプレミス型(インストール型)は、自社にサーバーを設置しシステムをインストールする必要があります。機器の購入費や設備工事費などのコストがかかりますし、自社で一からシステムを開発するとなると、完成までに月単位、年単位の時間がかかります。運用が始まってからも、自社でメンテナンスを行わなくてはいけません。

人事担当者が一人で複数の業務を兼任し人材教育に十分な時間を割けない企業や、社内の研修プログラムが確立できていない企業は、クラウド型がおすすめです。

――クラウド型を検討する際に注意すべき点はありますか?

クラウド型といっても、研修システムの枠組みであるLMS(Learning Management System)だけを提供する製品と、LMSと研修コンテンツをセットで提供する製品があります。

【LMSとは?】
学習教材の配信や成績の管理などを統合して行うシステムのこと。
※詳しい解説は記事の最後にあります。「用語解説

自社独自のコンテンツで研修を行いたいなら前者を、新人社員研修など一般的な内容の研修を行いたいのであれば後者を検討してみるとよいでしょう。最近は研修コンテンツも備わったeラーニングシステムが増えていますね。

第2ステップ:研修コンテンツの内容を決める

第2ステップでは、研修するコンテンツの内容を決定します。ここで考えなければならないのは、eラーニングシステムで行う「研修の目的」「研修内容」「研修形態」「研修対象者」の4要素です。

その1―研修の目的

まずは、何のために研修を行うのかを明らかにしておきましょう

「ビジネスの基礎を身につけるため」「営業のスキルアップを目指すため」など、様々な目的が考えられます。

その2―研修内容

次に研修内容を検討します。その1で挙げた目的に応じて、どのような内容の研修が必要かを考えましょう。

目的が「ビジネスの基礎を身につけるため」なら「マナー研修」、「営業のスキルアップを目指すため」なら「実践型の販売研修」などが考えられます。

その3―研修形態

研修内容が決まったら、それに合った研修形態を決めます。eラーニングシステムの研究形態は次の3つです。

【eラーニングシステムの研修形態】

eラーニングシステムの研修形態

オンデマンド型は、動画の教材を受講者が視聴します。自分の都合のいいタイミングで受講したり、苦手分野の講義を何度も見返したりできることが特徴です。

また、一度コンテンツを用意すれば、同じクオリティの研修を全員に提供できるのも魅力です。

ライブ型は、「Zoom」や「Microsoft Teams」などのWeb会議システムを利用して、講義をライブ配信する方式です。質疑応答など、講師と受講者がリアルタイムでやりとりできるのが特徴です。ただし、受講時間が限定されてしまうため、講師と受講者のスケジュールを同時に確保する必要があります。

ハイブリッド型は、オンライン授業と対面授業を組み合わせて実施するスタイルです。
eラーニングと対面形式の両方のメリットを取り入れた研修形態と言えるでしょう。

ハイブリッド型には、主に3つのパターンがあります。

◆ハイフレックス型
対面とオンラインで同じ内容の授業を同時に行います。

◆ブレンド型
授業の目的に合わせて対面とオンラインを組み合わせます。
例えば、講義やテストをeラーニングで受けて、対面ではeラーニングで
学んだことを前提としたディスカッションを行うなどです。

◆分散型
コロナ禍で大学で対面授業ができなくなり、急遽、行った授業形態です。
1教室での人数を減らすために、グループごとに分けて対面授業とオンライン授業を入れ替えて実施します。

その4―研修対象者

研修コンテンツを利用する場合、利用人数や視聴人数によって料金が決まります。遠隔地在住の従業員や、育児・介護などの事情がある従業員などはオンライン研修だと都合のよいケースが多いでしょう。受講形態別に対象者がどの程度の人数になるかを把握しておくことも大切です。

第3ステップ:予算の概算を出す

第3ステップで決めるのは「予算」です。ここで注意しておきたいのは、eラーニングシステムのコストには、「研修コンテンツにかかるコスト」と「システム維持のためのランニングコスト」の2つあることです。

◆研修コンテンツにかかるコスト

研修に使うコンテンツは、自社で作成するか、eラーニングシステムで提供されているコンテンツを使用するかのどちらかになります。自社で作成するなら制作コストが発生しますし、eラーニングシステムのものを使うなら利用料がかかります。どのくらいの費用になるか概算しておきましょう。

また、製品によって対応できる教材の規格やファイルサイズなどが指定されていることがあるので、自社独自の研修コンテンツを制作する場合には事前に確認するようにしてください。

たいていは動画ならLMS標準規格の「SCORM」か、スマホで撮影する動画形式の「MP4」規格に対応しています。動画作成にコストをかけられないならPowerPointのファイルをそのままシステム上にアップロードして使える製品を選ぶとよいでしょう。予算があれば、コンテンツ作成会社に依頼するという方法もあります。

◆ランニングコスト

月々のランニングコストも見積もっておきましょう。LMSだけの製品なのか、研修コンテンツも含まれた製品なのかによって料金設定は変わります。また、料金の課金単位も製品によって異なります

【料金の課金単位】
・ユーザーID数
・使用ディスクサイズ
・最大接続人数

また月払い、年払いなど支払いのタイミングで料金が変わる場合もあります。例えば、新入社員研修など、特定の期間だけで利用したい場合は、月ごとに料金を支払うほうがコストを抑えられることがあります。

第4ステップ:必要な機能を確認する

第4ステップでは、システムの機能を確認します。

予算を踏まえ必要な機能に優先順位をつけましょう。eラーニングシステムのおもな機能としては次のようなものがあります。

【eラーニングシステムのおもな機能】

▽基本機能
・受講者登録
・ID発行
・受講認証
・修了証の発行
・対面研修管理
▽学習ログ機能
・学習進捗状況や学習成果の確認
・学習ログのレポート
・レポートのCSV形式出力
・課題、成績の管理
▽コミュニケーション機能
・メール
・SNS連携
・掲示板
・プッシュ通知
▽テスト作成・実施機能
・ランダム出題
・テスト時間制限の設定
・リスニングテストの実施
・スピーキングテストの実施

なかでも「学習ログ」はeラーニングシステムの「要」とも言える重要な機能です。研修の進捗や成果を管理したり、研修に関するレポートを作成したりできます。

ハイブリッド型を採用する場合には、「対面研修管理機能」があると、システム内で研修全体を一元管理できるので便利です。

また、機能に加えて、受講者にとって利用しやすいUIかどうか確認しておきましょう。研修をスムーズに進めるために重要です。

eラーニングシステムを導入するメリットと活用法

eラーニングシステムの導入は、社員教育プログラムの改善や研修にかかるコストの削減が期待できます。eラーニングシステム導入のメリットと効果的な活用法について、高宮さんに詳しく聞きました。

研修を一定の品質で一度に多人数に提供できる

――eラーニングシステムを導入するメリットは何でしょうか?

講師や受講者の負担を軽減できる点が大きいです。eラーニングシステムを用いれば、オンラインで一度に大人数に対して研修ができますし、研修内容の品質を一定のレベルでキープできます。現場ごとに繁忙期が異なる場合は、研修の時期や時間帯を調整するのが困難ですが、eラーニングシステムなら各自が自分の都合のよいタイミングで受講可能です。繰り返し視聴できますから研修内容の定着も図れます。

会場の確保など研修にかかるコストを削減できるのもメリットです。スマホで受講できるシステムなら社員全員にPCを用意する必要もありません。

学習ログデータを活用できる

また、eラーニングシステムには、研修の進捗や成果を「学習ログデータ」として記録できる機能が付いているものがあります。この機能を使えば、受講者の成績を集計し転記する必要がなくなります。成績を一つの指標として、人材配置のヒントにしたり、人事評価に生かしたりといったことも可能です。

繰り返し受講でき

――受講者側にはどんなメリットがあるのでしょうか?

繰り返し視聴できるのは大きなメリットですね。

対面では一度の講義で終わってしまうところを、録画なら自分が納得するまで繰り返し視聴できるので、学習した内容や知識が定着しやすくなります。スマホやタブレットからでも利用できるので、受講のハードルを下げられます。通勤時間を研修に充てることもできますね。

eラーニングシステムを効果的に運用するためのポイント

――eラーニングシステムを運用する際に注意すべきことは何でしょうか?

eラーニングシステムでは基本的に「自主的な学習」が前提のため、受講者一人ひとりに「自己調整能力」が求められます。つまり、いかにモチベーションを維持できるかが重要になるわけです。

学習意欲を高め、モチベーションを維持するためには、「内発的動機付け」と「外発的動機付け」の工夫が必要でしょう。

特に、興味や関心など自らの意思による「内発的動機付け」は大きな原動力になります。一般的に、他者から強制された学習でモチベーションを維持するのはなかなか難しいものです。そこで、何のために学習するのかを明確に提示して、受講者の興味・関心を刺激し動機付けを図るわけです。

例えば、「Aという部署に異動したいからBを習得する」といったように、受講者が自発的に勉強したいと思えるような目標を立てるように促すのが効果的です。

「外発的動機付け」は、評価や賞罰など、外部からの刺激によるモチベーションのことです。「eラーニングの学習成果が人事評価に反映される」仕組みなどはこれに相当します。

例えば、eラーニングシステムの「learningBOX」とタレントマネジメントシステムの「カオナビ」は、製品間のデータ連携ができるようになっています。この連携で、社内研修の受講記録や成績を、人事情報と結びつけて一元管理できるようになるので、成績に応じた評価が行えます。学習がダイレクトに人事評価につながることで受講者のモチベーションアップが期待できます。

eラーニングシステムを導入する上でおさえておきたい専門用語

最後に、eラーニングシステムに関係する専門用語を説明します。

「LMS(Learning Management System)」

学習教材の配信や成績の管理などを統合して行うシステムです。

LMSの大きな特徴は学習の進捗管理が行いやすいこと。eラーニングを実施するといっても、ただ教材を視聴してもらうだけでは、受講者のモチベーション維持が難しくなります。そこで、学習に関するポータルサイトとしてLMSを導入することで、受講者とのコミュニケーションを図り、学習の進捗やモチベーションを管理できます。

「SCORM(Shareable Content Object Reference Model)」

SCORM(スコーム、Shareable Content Object Reference Model)は、「共有可能なコンテンツオブジェクト参照モデル」いう意味で、eラーニングで使われる標準規格です。

このSCORMに対応していれば、異なるLMSのサービス同士でも相互にコンテンツを利用できます。

「クラウド型」

サービス提供会社が用意したシステムを、インターネットを経由して利用するのがクラウド型です。自社でサーバーなどハードウェアを用意する必要がないため、導入の初期費用が少なくて済みます。また、サービス提供会社のサーバーにインターネット上からアクセスしてサービスを使う形になるので、インターネット環境さえ整っていれば場所を選ばず受講できます。

「オンプレミス型(インストール型)」

自社で用意したサーバーにeラーニングシステムをインストールして利用するのが、「オンプレミス型(インストール型)」です。eラーニングの運用が社内で完結するため、外部からの不正アクセスなどのリスクを減らせるというセキュリティ面でのメリットがあります。

まとめ

eラーニングシステムは、学習状況や受講者のモチベーション管理をしながら研修が行える便利なツールです。eラーニングシステムには数多くの製品がありますが、使える機能や特徴はそれぞれ異なります。「4つのステップ」に沿って検討し、自社に最適なシステムを選び出しましょう。

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