杉野慎

株式会社TECO Design 代表取締役社長
杉野 愼(すぎの しん)

岡山県笠岡市出身。広島大学大学院工学研究科修士課程修了。医療系IT上場ベンチャー企業、大手社会保険労務士事務所などを経て、2019年に株式会社TECO Designを設立。
医療系IT企業ではテレアポから営業トークまで各種の営業手法を徹底的に分析したアプローチを取り入れてトップセールスを継続達成。社労士事務所では担当企業のIPO、M&Aなどにも関わりつつ、IT推進室室長としてIT化推進などに注力する。
2019年9月に株式会社TECO Designを設立。勤怠や給与計算などクラウドシステムの導入、データベースの導入や移行、バックオフィスの業務設計などを手掛ける。これまでにシステム導入支援を手掛けた企業は200社以上。
クラウドサービスの比較、検討、ショールームの予約などができる、オウンドメディア「クラウドステーション」も運営。

 

専門家が勧める給与計算ソフトの選び方とは?

ーー給与計算ソフトはたくさんの製品がありますが、どのように選べばよいのでしょうか。

製品選定の際にチェックすべきポイントは「支給項目」「控除項目」「API連携」の3点です。

【製品選定のチェックポイント】

  1. 支給項目:自社の支給項目に対応しているか
  2. 控除項目:自社の控除項目に対応しているか
  3. API連携:勤怠管理システムとAPI連携ができるか

まず、大前提として、100点満点の製品はないということを覚えておいてください。人が使うツールに完璧なものはありません。

もちろん、できるだけ高いレベルで折り合う製品を選びたいという気持ちはわかります。ここで挙げた3つのポイントはそのための視点です。

チェックポイント(1):自社の支給項目に対応しているか

チェックポイント(1)の説明画像

まず、支給項目について説明します。給与の支給項目は次の4種類に大別できます。

【支給項目の分類】

(A)固定額で支払われるもの:基本給、役職手当、住宅手当、通勤手当(定期代)など
(B)時間×単価、回数×単価で支払われるもの:日勤・夜勤・宿直などのシフト制、残業手当、休日勤務手当など
(C)金額が変動して払われるもの:歩合給など
(D)1回限り支払われるもの:結婚手当、結婚祝い金、永年勤続表彰など

自社の支給項目と給与計算ソフトの支給項目がどの程度合致するか、が第1のチェックポイントです。

【要チェック企業】

・手当などの種類が多い企業
・「時間×単価」や「回数×単価」で発生する支給項目がある企業(日勤・夜勤・宿直のシフト制がある企業など)
・時間外労働などで独自の割増額・割増率を設定している企業

支給項目が(A)に該当し手当の種類が多い企業の場合は、手当の種類を追加できるかを確認しておきましょう。

(B)の支給項目パターンの業種は多くあります。

例えば、医療や介護系の企業です。日勤・夜勤・宿直の3交代シフト制になっていて、それぞれのシフトに入った回数で手当が算定されたり、夜勤と宿直ではそれぞれ異なる割増賃金が設定されていたり、といったケースです。

他にも、長距離輸送の運転手のように、日給で、さらに「荷の積み下ろし」で1回いくらの手当がつくケースなども当てはまります。このような算定パターンの職場であれば、「時間×単価」のほか「回数×単価」の支給項目に対応していないと困ります。

(C)ですが、時間外勤務自体には基本的にどの製品も対応しているので、早朝5時から7時までの勤務は時給50円増しなど、「回数×単価」の単価部分が変動する場合に対応できるかがチェックポイントになります。

また、法定割増率とは異なる独自の割増率を設定している場合も確認が必要です。この場合は、独自の割増率で計算式を設定できるかが焦点になります。

チェックポイント(2):自社の控除項目に対応しているか

チェックポイント(2)の説明

【要チェック企業】

  • 健康保険組合(健保組合)に加盟している企業
  • 社会保険料の引き落としに独自のルールがある企業

控除項目についても自社の項目にどの程度対応できるかをチェックしましょう。

控除項目には法律で定められているものと、自社独自のものがあります。自社独自の設定については、同様の項目がデフォルトで用意されているか、もしくは新たに追加できるかを確認すればすみます。

法定の控除項目には「健康保険」「介護保険」などの社会保険と、「所得税」「住民税」などの税金があります。このうち少々複雑なのが「健康保険」です。

一般の企業が加入する健康保険は、「健康保険組合(健保組合)」と「全国健康保険協会(協会けんぽ)」の2通りがあり、それぞれ保険料率が異なります。

【一般企業が加入している健保団体と保険料率】

健康保険組合(健保組合):企業が単独または共同で運営。料率は組合ごとに設定
全国健康保険協会(協会けんぽ):健保組合のない企業が加入。料率は都道府県支部ごとに設定

このうち、国が定める「全国健康保険協会」は、都道府県ごとに1種類しか料率がないので、ほとんどのソフトが対応していますし、改定があれば自動でアップデートされます。

しかし、企業が単独または共同で運営する「健保組合」の場合、料率は組合ごとに決められています。自営業者が加入する「国民健康保険組合」や医師向けの「医師国民健康保険組合」なども、それぞれ独自のルールがあります。これらは自動アップデートされないので、保険料を手動で変更する必要があります。

もう一つ、社会保険料天引きのタイミングが一般的でない場合は、独自の設定ができるかを確認したいところです。

「その月の社会保険料は翌月末までに支払う」のがルールです。例えば、給料が毎月15日締め25日払いの場合、3月分の保険料は4月末までに納めればよいわけですから、4月25日払いの額から3月分の保険料を天引きするのが通例です。

しかし、中には、3月25日払いから前もって保険料を預かる企業もあります。その場合は設定が変えられないと、社会保険料の引き落としを手動で入力処理しなければならず大変です。

チェックポイント(3):勤怠管理システムとAPI連携ができるか

チェックポイント(3)の説明

【要チェック企業】

  • クラウド型の勤怠管理システムを導入している企業
  • 給与計算時に勤怠データの転記ミスが多い企業

――勤怠管理システムとのAPI連携はなぜ重要なのでしょうか?

給与計算の元になるのは勤怠データだからです。

「従業員情報」と「勤怠管理データ」をベースに、「支給項目」と「控除項目」を計算し「給与明細書」を発行するのが給与計算業務の流れですから、特に勤怠管理システムとの連携が重要になります。

API連携ができれば、勤怠データをシステム上から送信し自動で給与計算がされるので、作業工数は減りますし転記ミスも防止できます。反対に連携ができないと、勤怠管理システムからデータをCSV形式でエクスポートし、そのデータを給与計算ソフト用に加工してからインポートしなければならないので手間がかかりますし、ミスのリスクが高まります。

ただし、API連携はしていても、使い勝手があまりよくない場合もありますので、無料トライアルを利用するなど事前に確認するようにしましょう。

専門家おすすめの3製品を比較

ここからは、杉野さんがおすすめする3製品を紹介します。導入企業の評価もあわせてお伝えするので参考にしてください。

【おすすめ3製品の比較表】

 ジョブカン給与計算マネーフォワード クラウド給与人事労務freee
支給項目に対応
控除項目に対応
勤怠管理システムとの連携

複雑な支給・控除項目にも対応できる「ジョブカン給与計算」

出典:「ジョブカン給与計算」(https://payroll.jobcan.ne.jp/)
ジョブカン給与計算
公式サイト https://payroll.jobcan.ne.jp/
運営会社 株式会社 DONUTS

【料金(税込)】

小規模・中規模企業(従業員500人未満) 大規模企業(従業員500人以上) 他のジョブカンシリーズを利用中
無料プラン 有料プラン 要問い合わせ 特別料金が適用(※要問い合わせ)
従業員数5人まで 一部機能制限あり 従業員1人につき 440円/月

※料金はすべて税別。
※無料トライアル 30日間(全機能を使用可能)

【製品評価】

支給項目に対応
控除項目に対応
勤怠管理システムとの連携

【製品の特徴】

  • 支給項目と控除項目の設定の自由度が高い
  • 「回数×単価」「時間×単価」の計算にも対応
  • 他製品との連携が弱い

【おすすめ企業】

  • 多様な勤務形態がある企業
  • 給与計算式が複雑な企業

「支給項目」「控除項目」の設定の自由度の高い製品です。

月給制、日給制、時給制のほか「回数×単価」「時間×単価」の計算に対応しており、支給項目の追加設定もできます。独自の算定ルールによる支給項目がある場合、その計算式を自由に適用できるのも特徴です。従業員の勤務形態が多様で、給与計算に複雑な処理が必要な企業にマッチしやすい製品と言えます。

ジョブカン給与計算には「給与規定グループ」の設定機能があります。これは月給・日給・時給など、支給形態別に給与データの表示と計算ができるというものです。給与の算定ルールが異なる従業員が多い企業では、分類して給与を計算・管理できるので便利です。

API連携については、同じシリーズの「ジョブカン勤怠管理」と連携しています。しかし、他社の勤怠管理システムとはほとんど連携できません。

【導入企業の評価】

(ITコンサルティング/400人規模)

マネーフォワード クラウド給与から切り替えました。利用していたジョブカン勤怠管理との連携がしやすかったことと、弊社独自の給与計算式に対応できたことが理由です。

ジョブカン給与計算は四則演算のカスタマイズ性が高く、複雑な給与計算式にも対応可能です。UIもシンプルで使いやすいと思います。給与計算式が複雑な企業や、初めて給与計算ソフトを導入する企業におすすめです。

不満はあまりないのですが、同じジョブカンシリーズでも、ジョブカン経費精算とはなぜかAPI連携ができません

支給項目の範囲が広く勤怠管理との連携に優れた「マネーフォワード クラウド給与」

出典:「マネーフォワード クラウド給与」(https://biz.moneyforward.com/payroll/)
マネーフォワード クラウド給与
公式サイト https://biz.moneyforward.com/payroll/
運営会社 株式会社マネーフォワード

【料金(税込)

法人(従業員数31人未満)
スモールビジネス (2部門まで) ビジネス (部門数制限なし) エンタープライズ (上場企業・IPO検討中企業向け)
年額プラン 3万9336円/年 6万5736円/年 要問い合わせ
月額プラン 4378円/月 6578円/月 要問い合わせ

【製品評価】

支給項目に対応
控除項目に対応
勤怠管理システムとの連携

【製品の特徴】

  • 支給項目のカバー範囲が広い
  • 割増率の異なる「回数×単価」「時間×単価」の計算にも対応
  • 連携できる製品が多い

【おすすめ企業】

  • 従業員の勤務形態が複数ある企業
  • 給与の割増率が時間帯によって変わる企業
  • 他システムとの連携を強化したい企業

マネーフォワード クラウド給与は支給項目の仕分けに幅広く対応できます。

計算式は、システムに設定された範囲に限定されますが、月給・日給・時給の3パターンのほか、割増率の異なる「回数/時間×単価」計算や固定残業制にも対応できます。

この製品の大きな強みは、他社製品とのAPI連携です。同じシリーズの「マネーフォワード クラウド勤怠」はもちろん、「KING OF TIME」「IEYASU」など他社の勤怠管理システム8製品とAPI連携しています。また、「ジョブカン勤怠管理」などその他8製品からCSV形式で出力したデータを加工なしでインポートできます。

さらに労務管理の「SmartHR」「オフィスステーション」や、タレントマネジメントシステムの「カオナビ」、福利厚生ソフトの「Payme」との連携も可能です。また、「みずほ銀行」「三井住友銀行」と振込先連携しており、給与計算から給与振り込みまでシームレスに行えるのも便利です。

【導入企業の評価】

(ITコンサルティング/400人規模)

既に導入していたマネーフォワード クラウド会計とシームレスで連携できたので、作業がしやすくなりました。

マネーフォワード クラウド給与はAPI連携ができる製品の多さが魅力だと思います。給与計算に必要な基本的な機能は揃っているので、給与計算のルールをこれから構築していく段階にある企業に向いている製品だと思います。

ただし、複雑な給与計算式や条件式には対応できません。例えば、育児休業期間に応じて手当の金額が変わる場合に、手作業が発生します。

また、ジョブカン勤怠管理との連携がよくありませんでした。ヘルプページでは連携できると書かれているのに実際にはできなかった項目が10以上あり、結局CSV形式で勤怠データを取り出した後に手作業で計算してからインポートしなくてはいけなかったため、別製品に切り替えることにしました。

労務管理機能を備え、給与データの履歴管理もできる「人事労務freee」

出典:「人事労務freee」公式サイト(https://www.freee.co.jp/hr/)
人事労務freee
公式サイト https://www.freee.co.jp/hr/
運営会社 freee株式会社

【料金】(税込)

 ミニマムプランベーシックプロフェッショナル エンタープライズ
(従業員50人超)
年額プラン2万6136円~
従業員4人目以降は
1人につき330円/月追加
5万2536円~
従業員4人目以降は
1人につき550円/月追加
10万6656円~
従業員4人目以降は
1人につき770円/月追加
要問い合わせ
月額プラン2400円~/月4928円~/月1万208円~/月要問い合わせ
※無料トライアルは要問い合わせ

【製品評価】

支給項目に対応
控除項目に対応
勤怠管理システムとの連携

【製品の特徴】

  • 勤怠管理と労務管理の機能も備えている
  • 給与データの履歴管理ができる
  • 「回数×単価」の計算に対応できないケースが多い

【おすすめ企業】

  • 会社規模が小さく、担当者がバックオフィス系の業務を複数兼務している企業
  • 給与情報の履歴管理を行いたい企業

人事労務freeeは、給与計算だけではなく、勤怠管理と労務管理も同じシステム内で同一データベースを使ってできるのが強みです。

もし、給与計算にA、勤怠管理にBという製品を使っていた場合、それがAPI連携していても、年末調整の申請はAで行い、勤怠の申請はBで行うというように2種類のシステムについて操作を覚えなければなりません。人事労務freeeの場合はすべて行えるので、そのようなわずらわしさが一切ありません。

ジョブカン給与計算、マネーフォワード クラウド給与と大きく異なるもう一つの特徴は、従業員のマスターデータを月次で保持できることです。

【「マスターデータ」とは?】
システム上で行う処理に必要な基礎データのこと。給与計算ソフトにおけるマスターデータは、氏名、年齢、所属、職歴、資格、昇給歴、扶養家族の有無などの「従業員情報」が該当する。

先に挙げた2製品は最新の従業員情報しか持てません。しかし、人事労務freeeは過去のマスターデータが残せるので、異動や昇給があった場合でも、昇給前の履歴をさかのぼって支給項目や給与額などを確認できます。

また、保険料の料率などが変更になる際には、事前に設定しておくことも可能です。ジョブカンやマネーフォワードはマスターデータが1つなので、来月分の設定を書き換えると当月の給与額も書き換えられてしまいます。

ただし、人事労務freeeは「回数×単価」計算に対応できない場合が多いです。また、労務管理などと一体化しているので、給与計算だけクラウド化したいというような使い方では、良さが十分に発揮できません。しかし、もともとスモールビジネス向けに開発されただけあって、特に規模の小さい企業に扱いやすいソフトになっています。

【導入企業の評価】

(HRテック/70人規模)

元々はマネーフォワード クラウド給与を利用していましたが、会計freeeとの連携から人事労務freeeに切り替えました。

マネーフォワード クラウド給与を利用していたときは、健康保険と厚生年金を足してを法定福利費にするなど、給与計項目を会計科目に変換する作業が必要でミスが発生していました。人事労務freeeは、給与確定ボタンを押すだけで会計freeeにデータが送信され自動で仕分けがされます。作業負担が減り、ミスもなりました。

人事労務freeeには勤怠機能が備わっていますがフレックス制に対応できないため、別の勤怠管理システムを利用しています。勤怠データを人事労務freeeにインポートした際に欠勤控除が正しく計算されないため、エクセルでの作業が発生しています。

給与計算ソフト導入のメリットとは?

「給与計算ソフト」を導入する企業は増えていますが、一体どのようなメリットがあるのでしょうか? 杉野さんが挙げるのは次の3点です。

【給与計算ソフトを導入するメリット】

  1. 給与計算業務を効率化できる
  2. 給与計算のミスを防止できる
  3. 給与計算の透明性を担保できる

この3点について杉野さんに詳しく解説していただきましょう。

(1)給与計算業務を効率化できる

効率化という点で最も大きいのは、給与計算で行うあらゆる四則演算を自動で行えることですね。Excelにも演算機能はありますが、毎月シートをコピーしなければなりません。クラウド化して給与計算ソフトを取り入れた方がはるかに楽です。

特に、日給計算や時給計算など複数の支給形態がある企業、日直や夜勤など多様な勤務体系がある企業は、導入のメリットを実感しやすいと思います。

「ペーパーレス化」もわかりやすい変化でしょう。今までのように紙の給与明細書を従業員一人ひとりに「渡す」のではなく、システム上で「閲覧する」スタイルになりますから、明細を紙に印刷して配布するコストが下げられますし、郵送の際に紛失や流出してしまうリスクをなくせます

社会保険労務士などに社会保険手続きを任せている場合も、クラウド上で必要なデータを共有できるので、連携がスムーズになります。このように、給与計算に付帯する業務の大部分を軽減できます。

また、新型コロナ禍でリモートワーク、テレワークが必須になっている状況において、会社からデータを持ち出すことなく作業できるのも利点です。

(2)給与計算のミスを防止できる

コンピューターに任せられるので、給与計算ミスが起きにくいことも大きなメリットです。

「数字の入力もれ」や「設定もれ」があった場合には、「ここの数字が抜けています」「この項目が未設定です」といったメッセージが出るので、見落とさずに修正できます。

また、税率の改定があれば給与計算に反映させなければなりませんが、クラウド型システムでは、改定月に合わせて税率が自動的にアップデートされます。この即時性はパッケージ型やオンプレミス型に比べて、クラウド型がはるかに優れている部分です。

(3)給与計算の透明性を担保できる

――給与計算の透明性を担保できるとは、どういうことでしょうか?

「透明性」とはつまり「業務を属人化させない」「業務を特定の人に集約しない」ということです。

一般的に、経理などのバックオフィス業務は属人化しやすい傾向があります。特に従業員が50人以下の企業で、給与計算の担当者1人に補佐役が1人いるかどうか、というような体制だと属人化しやすくなります。

担当者が算定手順や業務の仕組みを、自分のやりやすいように変えて、それが年単位で続いてしまうと、ほかの人ではわからなくなります。そして、その担当者が退職したり休職したりした際に、業務を誰も引き継げなくなってしまうのです。

給与計算はもちろん、経理業務(給与振込業務)が属人化してしまうのは企業にとって非常に危ない状況と言えます。その人がいないとお金の流れが止まるので、社長でも経理担当者に強く意見が言えない状態の企業さえあります。

給与計算ソフトを導入すれば、属人化の心配はありませんし、業務の引き継ぎもスムーズです。また、「この部署は残業が多い」などの改善点も見えやすくなります。「数字を扱うだけではなく、改善の提案もできる経理へ」。給与計算ソフトの導入にはそういうメリットもあると思います。

――費用面はどうでしょうか?

給与計算ソフトの費用対効果は大きいと思います。

例えば、給与計算ソフトの運用でかかる費用が従業員1人につき月300円とすると、日給換算で10円程度になります。「10円分の給与」がどれぐらいの業務に相当するかを考えてみましょう。「書類を作成して…」「印刷して…」もう元が取れるでしょう。

――クラウド型給与計算ソフトのネガティブな面があれば教えてください。

汎用的に作られている分、シンプルで扱いやすいのですが、カスタマイズ性は高くありません。「自社独自の複雑な計算式をどうしても使いたい」という場合は、パッケージ型やオンプレミス型に比べて対応しきれないケースがあります。

しかし、メリットに比べればデメリットは小さいと言えるでしょう。

まとめ

給与計算の方法は企業ごとに異なります。働き方改革などの施行もあり、今後もさまざまな改変が予想されます。クラウド型給与計算ソフトの導入は、作業の効率化や計算ミスの防止に加え、そのような制度の改変にもスピーディーに対処できるところに大きな利点があります。

今回紹介した「支給項目」「控除項目」「API連携」の3項目に注目し、製品を検討してみてください。

上に戻る